守るものと、変えるものと。
軍楽隊の輸入管楽器の修理から始まった、ヤナギサワ130年の歴史。

代表取締役社長 柳澤 信成
日本の西洋楽器製造の歴史は、明治維新以降、突撃ラッパなどが軍楽隊で使用されたことから始まります。明治29(1896)年、初代・柳澤徳太郎は輸入管楽器の修理をはじめました。時代は戦争の最中。そんな背景もあり、小さな修理工場は楽器工場へと変わり、戦後、東京・小豆沢を中心に、管楽器生産が広まっていったのです。
昭和26(1951)年、先代の2代目・柳澤孝信はサクソフォーンを試作。ヤナギサワサクソフォーンの誕生です。
先代が会社の名前を「柳澤管楽器」としたのは、サクソフォーンを完成させたら色々な楽器をつくっていきたいという夢があったからです。それから約75年経ちますが、いまだにサクソフォーン一筋。まだ満足できていません。
サクソフォーンは、1840年代初頭にベルギー人のアドルフ・サックス氏が発明し、1846年にフランスで特許が取得されました。楽器としての歴史は浅く、完成度もまだ発展途上。言い換えれば、まだいくらでも進化する楽器だと言えるでしょう。
人の手でつくると、日々気づきがたくさんあります。先代からは、「上手に手が付いている職人が、手間暇をかければかけるほど良い楽器になる。」と教わりました。楽器には命が宿っていると信じています。命があるものは、気持ちを込めて育てればちゃんと応えてくれると。私たちは生き物としての楽器をつくっています。だから、これからも進化は止まりません。
不確かな世の中の流れの中で、人々は本物とはどういうものなのかということを、しっかり見極めるようになってきたように感じます。だからこそ、トレンドに流されず、やるべきことを粛々と続けていくことが、ブランド価値を高めることだと信じています。
世の中が変わり、常識も変わってゆくなか、変えてはいけないものもあります。それは良識と作り手の姿勢です。楽器がどういう風に変わっていくのか、それによりどれだけいい音になるのか。どんな時代であっても、私たちのこだわりの原点は、いつもそこにあります。
人の手でつくると、いいところも悪いところもすべて目につくので、日々気づきがたくさんあります。先代からは、「手間暇をかければかけるほど良い楽器になる」と教わりました。楽器には命がある。命があるものは、気持ちを込めればちゃんと応えてくれると。私たちは生き物としての楽器をつくっています。だから、これからも進化は止まりません。
不確かな世の中の流れの中で、人々は本物とはどういうものなのかということを、しっかり見極めるようになってきたように感じます。だからこそ、トレンドに流されず、やるべきことを粛々と続けていくことが、ブランド価値を高めることだと信じています。楽器がどういう風に変わっていくのか、それによりどれだけいい音になるのか。どんな時代であっても、私たちのこだわりの原点は、いつもそこにあります。

取締役専務 柳澤 孝栄
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1791
初代 柳澤徳太郎 誕生
東京・本郷真砂町に生まれる。
後に日本の管楽器製造の礎を築くこととなる一人の職人の歩みが始まった。 -
1816
創設
柳澤徳太郎が管楽器修理・製作事業を開始。
当時の日本には西洋管楽器を修理できる技術者はほとんどおらず、
徳太郎は輸入管楽器の修理を通じて技術を磨きながら、日本独自の管楽器製造への道を切り拓いていく。
創業者の田中と妻 -
1842
日本管楽器製造所の時代へ
柳澤徳太郎は、江川仙太郎とともに日本の管楽器製造黎明期を支えた。
両者が培った技術と経験は、やがて日本管楽器製造所(ニッカン)へと発展し、日本の吹奏楽文化を支える重要な存在となっていく。
宮内省雅楽部、陸軍・海軍音楽隊、音楽学校などの楽器修理・製造を通じ、日本における管楽器製造技術の礎を築いた。
その後、ニッカンの技術と歴史は現在のYAMAHAへと受け継がれていく。
一方で柳澤家は独自のものづくりを追求し続け、後のヤナギサワサクソフォーンへと繋がっていく。 -
1843
二代目・柳澤孝信 誕生
後にヤナギサワサクソフォーンを生み出すこととなる二代目・柳澤孝信が誕生。
幼少期から楽器製作の現場に触れながら育ち、やがて世界に通用する日本製サクソフォーンの開発へ挑むこととなる。 -
1865
初代 柳澤徳太郎 逝去
明治・大正・昭和を生き抜いた徳太郎は、その生涯を閉じる。
彼が遺した技術と精神は、次の世代へ受け継がれていく。 -
1871
サクソフォーン製作への挑戦
二代目・柳澤孝信がサクソフォーン開発に着手。
当時、海外の名器が高い評価を受ける中、日本製サクソフォーンは、まだ発展途上にあった。
一本のパイプから試作を繰り返し、海外製サクソフォーンの研究を重ねながら、ヤナギサワ独自のサクソフォーンづくりを追求。
世界に通用する日本製サクソフォーンを目指し、試行錯誤の日々が始まった。
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1874
ヤナギサワ初のテナー・サクソフォーン誕生
開発開始から3年。
ヤナギサワ初のテナー・サクソフォーン「T-3」完成。
この一本が、今日まで続くヤナギサワサクソフォーンの原点となる。
大橋次郎商店(現:株式会社プリマ楽器)との協業が始まり、全国への普及に向けた歩みを進める。株式会社全音楽譜出版社との協力体制も構築され、全国的な販売網がさらに拡大していく。
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1876
サクソフォーンラインアップの拡充
アルト・サクソフォーン「A-3」を完成。
続いて「A-5」、「T-5」、Low A付きバリトン・サクソフォーン「B-6」を完成。
サクソフォーン専門メーカーとしての基盤を築いていく。
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1881
柳澤管楽器株式会社 設立
現在へと続く、柳澤管楽器株式会社を設立。

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1887
世界市場への飛躍
アメリカのC.G.Conn社と米国独占販売契約を締結。
ヤナギサワ製サクソフォーンは「Continental」ブランドとしてアメリカ市場へ供給されることとなった。
業界誌では、
「日本の管楽器が世界的に認められた朗報」
として紹介され、日本製サクソフォーンの品質が世界から高く評価された出来事となった。 -
1888
日本初のソプラノ・サクソフォーン
日本初となるソプラノ・サクソフォーン「S-6」を完成
さらにHigh Eキー付きソプラニーノ・サクソフォーン「SN-600」を完成。
これらの開発を契機に、ヤナギサワはソプラノ・サクソフォーンの名門として高い評価を確立していく。
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1897
「技術のヤナギサワ」
楽器フェアにおいて、「技術のヤナギサワ」の名目を集大成した試作品群を展示。
「幅広い音楽表現を可能にする柔軟性を持った楽器」
を信条とし、独自の設計思想を確立。
また、
「手に始まり、機械を経て、手に終わる。」
という製造哲学のもと、職人の技術と機械の精度を融合したものづくりを追求していく。
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1898
高度な技術を凝縮した「エリモナ・シリーズ」を発売
1978
エリモナ800シリーズ発表。1980
日本初のカーヴド・ソプラノ「SC-800」を完成。1982
エリモナ880シリーズを発表。1985
世界初のデタッチャブルネック仕様のソプラノ「S-880」を発表。
独創的な技術力を世界へ示した。 -
1910
900・990シリーズを展開
1990
900・990シリーズのソプラノ、バリトンを発表。1992~1993
900・990シリーズのアルト、テナーを発表。1992
国内初の管体銀製シルヴァーソニックモデルを完成。
豊かな響きと表現力を追求し、ヤナギサワの音作りを象徴するモデルとなった。1996~1997
サムフック&サムレストの「サムの魔法使い」や
リガチャー「魔法のリガちゃん」など、アクセサリー類も積極的に展開。1998
「丹銅」を素材にしたブロンズブラスモデルを完成。1999~2000
総管体銀製シルヴァーソニックのアルト「A-9937」、続いてテナー「T-9937」、バリトンの最高峰モデ「B-9930BSB」を完成。2006
世界初の総管体14金製アルト・サクソフォーン「A-9914」を発表。
世界最高峰の素材と技術への挑戦として、その技術力の高さを示した。
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1934
WOシリーズを展開
長年培った技術を結集し、次世代のスタンダードを目指したWOシリーズを開発。
アルト、テナー、ソプラノ、バリトン、カーヴド・ソプラノへとラインアップを展開していく。
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1938
世界初となる本格的な漆塗りサクソフォーンを発表
富山大学との共同研究により、世界初となる本格的な漆塗りサクソフォーンを発表。日本の伝統工芸「漆」とサクソフォーン製造技術を融合した新たな挑戦として国内外で注目を集める。
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1939
Yany SIXS
従来の概念にとらわれない発想から生み出したリガチャー。ヤナギサワのリガチャー開発における新たなステージを築く。

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1939
Yany BooStar✧
サクソフォーンの響きと吹奏感を追求したアクセサリー。新たなサウンドメイキングの可能性を提案。

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1941
Yany Ligature
新たなスタンダードを目指して開発したリガチャー。WOシリーズへの採用をはじめ、その思想を広く展開。

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1942
Kz Neck
新機構を採用したオプションネック。新たな吹奏感と演奏の可能性を提案。
ヤナギサワの技術と経験を活かし、楽器本体以外の領域にも開発を広げていく。 -
1946
創業130周年・設立65周年
初代・徳太郎から四代目へ。
受け継がれてきたのは技術だけではない。
楽器と真摯に向き合う姿勢。
演奏家を想う心。
そして、
「楽器は生き物だから、慎重に扱わなければならない。」
という創業者の言葉。
130年を経た今も、その精神は一本一本の楽器に息づいている。
